ベルナル観光
ベロニカとエドワルドが観光に連れて行ってくれると言う。
彼らはバギーバイクを20台以上持ち、観光客を案内する仕事をしている。だから、週末は忙しいので、ウィークデイに来てくれと言っていたのだ。
2台のバイクで出発。僕は、ベロニカの後ろに乗せてもらった。
そして、車の通りが少ない道に入ってから、運転方法を教えてもらった。
運転はどちらかというと、車に近い感じだ。オートマチックシフトレバーがあり、上から、パーキング、バック、ニュートラル、セカンド、ロー。記号で書くと上から、P,R,N,D,L。オートマチック車と一緒だ。
アクセルは右手ハンドルについているレバーで操作する。バイクのようにハンドルを回すのではない。
スピードは最高でも50キロほどしか出ないそうだ。意外と安全な乗り物のようだ。
ベロニカが僕の後ろに乗って、いよいよ出発。
ペーニャ・デ・ベルナルは1枚の岩でできていて、オーストラリアのエアーズロックに次いで世界2番目の大きさとのこと。
岩の周りには強い磁力が発生していて、ドローンは飛ばせないようだ。
また、山の麓にはわき水があり、古代より人が住んでいたようで、その壁画を見せてもらった。
とにかく、自然がとてもきれいなところだ。
ベルナルには岩の中腹まで登ることができるのだが、今回は時間がないのでとりやめ。
土産物屋のおばさんが、ベロニカと友達で、数ヶ月前に乳がんの手術をしたということでsanación。とても喜んでくれた。
そことは違う別のお店でオレンジジュースを飲んだ。素焼きのコップに入れてくれるのだが、そのコップは使い捨てだった。勿体ないと思ったが、ゴミ箱の中には山に捨てたあった。
そして、次にバギーで向かったのは MUSEO DE SITIO CAPILLA DE LAS ÁNIMAS という展示館。隣に教会があり、それが「ANIMA」(魂)の教会であり、地獄に落ちる手前の人達の魂を祀ってあると言っていた。
それで、この教会ではよく霊を感じる人がいるとのこと。ベロニカも感じたことがあるという。僕は全く何も感じなかった。もともと、霊感のない人だから。
展示館の職員とベロニカはお友達のようで、話で盛り上がっていた。僕は一人で写真を撮っていたのだが、後で撮影禁止に気づいたがもう遅かった。(笑)
そして、観光は終了。ベルナルはとっても小さな町というか村で、半日あれば回ることができる。そして、ベロニカの娘、ソフィアの下校時間になったので3人で迎えに行った。
下校時間には門の前に、アイスクリーム屋、お菓子屋、文房具屋が現れる。子供達は店に群がる。僕にもアイスを買ってもらった。
ソフィアを迎えて、お店に戻り、昼食。隣のタケリアのロサがゴルディタを焼いてくれた。
お昼は昨日同様お店の前。天気は良いし、暖かいし、外で食べるのは気持ちが良い。
時間があったので、ベルナルのセントロへ買い物に出かけた。
観光の町だけあって、土産物屋は沢山あり、料金も安く、良心的だった。
ベロニカの店に戻ると、ケレタロのバスターミナルまで送ってくれるとのこと。「バスで行くよ。」と伝えたが、何でもということで二人の好意に甘えた。
運転はベロニカで、エドワルドは助手席。何となく夫婦関係が象徴されている。
後部座席は僕とソフィア。ソフィアは後部座席で映画『SING/シング』を見ていて、僕にもヘッドフォンを貸してくれた。スペイン語を勉強するチャンスと思ったが、睡魔に勝てず、爆睡してしまった。
車は1時間弱でバスターミナルに到着。ベロニカ家族と次回までのお別れ。とても親切な家族だった。初対面だが、昔から知り合いのようなそんな感じだった。
ターミナルでは少し早めに着いたので、Esquit(炭酸飲料)を飲みながら、まったりとしていた。
サモラ行きのバスは3人だけだった。斜め前方の席に男性が2人。何か喋っていたが、通路側の初老の男性が今度は僕に話しかけてきた。どうやら、この男性と斜め前方窓側に座っていた男性は初対面らしい。
で、僕に「あなたはどこに行くのだ? 何をしているのか?」と聞いてきた。そして、僕の目的地と仕事を伝えるとあとはおじさんの話を延々と始めた。
すごいコミュニケーション能力だ。
彼の名前は、サルバドール、74才。サモラの先、名前は忘れてしまったが、何とかという村に仕事に行くという。その仕事とは、メキシコ人の姓についてで、一般的にメキシコ人は姓を父方、母方と2つ持っている。名前もファーストネーム、セカンドネームと2つ、1つの人もいれば、3つの人もいる。だから、メキシコ人のフルネームは結構長い。
サルバドールは、その姓が2つあることが問題だと力説していたが、僕には理解できなかった。また、その姓のことで役所に行くと言っていた。ちんぷんかんぷんだったが、サルバドールおじさんは、ただ喋りたいだけで、僕が理解できてなくてもお構いなしだった。
人見知りの僕としては、この厚かましさを勉強させてもらわなければと思ったりしたが、いい加減うんざりして、返事をしないでいると、自分の席に戻っていった。
バスは、渋滞にはまり予定の到着時刻よりも30分遅れてサモラに到着した。最終目的地のロス・レジェス行きのバスはもうないとのこと。まいった。
そこで、タクシーの運転手に最寄りの安いホテルを紹介してもらうことにした。
ほどなく、ホテル『ナショナル』に到着。40ペソ払い、ホテル代は260ペソ。安い。
しかし、後で、弟に話したところ、サモラは危険なところ、良くそんな危ないことをしたね!と言われてしまった。結果オーライだったが、危ないことはこれからはよそうと思った。
夕食がまだだったので、タケリアを探しに町へ。ハンバーガー屋をやっと見つけ、コーラとハンバーグで遅い夕食をとった。
ホテルに戻ろうと元来た道を帰ったのだが、ホテルが見つからない。恐怖に鳥肌が立った。やばい!マップに保存しておくんだった。ホテルの名前も覚えていない。
ぐるぐる迷って、やっと戻ってきた。無茶なことは控えなければと反省した。
12時過ぎてシャワーを浴びて、休んだ。明日のバスは朝6時。ホテルを5時半に出発だ。