第3回目の渡墨
9月27日より10月5日までの日程でメキシコを訪れた。
アルフレッドに空港に迎えに来てもらい、2日間はカスティージョに滞在。
2日間で23人におさづけ取り次ぎ。
3日目、アルフレッドとHospital Civilへ。訳すと市民病院といったところか。
病院前にアルフレッドの友人、ホセ・マリア、通称チェマが待っていてくれた。
何故、チェマというかわからないが、ある程度ルールがあるらしく、この名前に
はこのあだ名というのが決まっているらしい。
僕が知っているのは、例えば、
フランシスコ→パコ、ヘスース→チューイ、マリア・デル・ロサリオ→チャヨ、ロベルト→ベト などがある。
また、名前はキリスト教の聖人からとった名前が多く、マリア、ミゲール、ホ
セ、アルベルト、ホルヘ、ガブリエル、カルロス、ロサ、シルビア、そんな名前が多い。
珍しいところでは、サユリ、ノエミなど、日本人のような名前もある。
病院の前は大変な人だかりで、セキュリティーの関係で簡単に中に入れてもらえ
ないようだ。
入り口にはマシンガンを持った警備員が2人立っていた。
後で、アルフレッドに「何であんなに警備が厳しいのか?」と尋ねたら、
「赤ん坊が盗まれるんだ。」と言っていた。
人身売買か、臓器移植のためかと想像し、ぞっとした。
病院の中から、レントゲン技師の、マリア・デ・ラ・ルース・ピントが出てき
て、我々3人を中に入れてくれた。
そして、病院内を案内してくれ、「ここで、おさづけをしなさい。」と指示された。
シビルの病室は間仕切りも、カーテンもなく、広い廊下にベッドが2列に沢山並
んでいる。
簡易病院といった感じだ。
とても大きな病院なので、全部がそうではないと思うが、ちょっと日本では見ら
れない光景だった。
すると、チェマとアルフレッドが次々に病人に声をかけ、僕に、「この人に取り
次げ。」と指示を出し、忙しくおさづけを取り次いだ。
とにかく、早く良くなりたい人達ばかりだから、とても忙しかった。
一通り終えたら、今度は看護師達が、列をなし、おさづけの順番を待った。
おさづけを受けた、看護師達は一様に喜んでくれ、僕も使命を果たすことができ多様な感覚で、うれしかった。
ホスピタル・シビルは貧しい人達のための病院だった。